計画研究班A01:堀江班の論文が英国の国際学術誌「Nature Ecology & Evolution」にオンライン掲載されました。

Tasuku Ishida and Yutaka Satou.
Ascidian embryonic cells with properties of neural-crest cells and neuromesodermal progenitors of vertebrates.
Nature Ecology & Evolution doi: 10.1038/s41559-024-02387-8

私たちヒトを含む脊椎動物は,脳や目・鼻などの感覚器官が集中した「頭部(あたま)」と肛門より後方に位置する「尾部(しっぽ)」をもちます。この頭部と尾部はともに,脊椎動物の進化の過程で獲得されましたが,これは,それぞれ「神経堤細胞」と「神経中胚葉前駆細胞」と呼ばれる細胞集団の出現と深く関係していると考えられています。神経堤細胞と神経中胚葉前駆細胞がどのように出現し,どのような過程を経て進化してきたのかを知ることは,脊椎動物の起源と進化を理解するうえで重要です。
京都大学大学院理学研究科 石田祐
博士課程学生と佐藤ゆたか同准教授は,脊椎動物にもっとも近縁な無脊椎動物であるホヤの胚が,脊椎動物の神経堤細胞と神経中胚葉前駆細胞の両方の性質をそなえた細胞をもつことを見出しました。本研究成果は,頭部をつくり出す神経堤細胞と尾部をつくり出す神経中胚葉前駆細胞が進化的にはもともと一つの細胞集団であり,脊椎動物の系統において神経堤細胞と神経中胚葉前駆細胞へと分化した可能性を示しています。
本研究成果は,2024 年 4 月 2 日(現地時刻)に英国の国際学術誌「Nature Ecology & Evolution」にオンライン掲載されました。


計画研究班C01:郷班 郷 康広らの論文がProceedings of the National Academy of Sciences誌に掲載されました。

北海道大学・和多和宏先生との共同研究成果を発表しました。

自然科学研究機構生命創成探究センター: https://www.excells.orion.ac.jp/news/9515
自然科学研究機構生理研: https://www.nips.ac.jp/release/2024/01/post_528.html

Toji N, Sawai A, Wang H, Ji Y, Sugioka R, Go Y, Wada K (2024)
A predisposed motor bias shapes individuality in vocal learning.
Proc Natl Acad Sci USA 121(3): e2308837121. doi: 10.1073/pnas.2308837121

[概要]
北海道大学大学院理学研究院の和多和宏教授らの研究グループは、自然科学研究機構生命創成探究センター及び生理学研究所の郷 康広教授との共同研究として、歌鳥(鳴禽類スズメ目)で近縁種ではあるが異なった歌パターンをもつキンカチョウとカノコスズメを親として、その異種間交雑したハイブリッドのヒナの発声学習の個体差に着目した研究を行い、生得的な発声運動特性が個体ごとに異なり、それに基づいた発声学習バイアスを持つこと、脳内の興奮性投射神経細胞の遺伝子発現特性が、発声学習バイアスの個体差と機能相関を持つことを明らかにしました。

囀(さえず)り歌を学習によって獲得する歌鳥は、個体発達過程で、同種他個体の歌を学習モデルとして、自発的な発声練習を繰り返し、個体ごとにユニークな歌を学習獲得します。本研究では、親種2種からそれぞれのゲノム遺伝情報を受け継ぎ、遺伝的多様性を人為的に大きくしたハイブリッド個体はどのような歌を学習するのか、その歌発声学習の個体差はいつ現れるのか、そして、その学習の個体差は脳内でどのように表象されているのだろうかといった研究の問いをもって始めました。

これらの問いに応えるべく歌学習環境を統制し、ハイブリッド個体の発声学習の発達過程の詳細を解析したところ、発声学習における個体差は発声運動学習の練習初期から出現し、それが発声学習発達過程を通じて学習バイアスとして、歌発声パターン獲得に影響することが明らかになりました。

さらに、脳内で発声学習に関わる神経回路内のどの脳部位で遺伝子発現に個体差が存在するのか、1細胞(シングルセル)遺伝子発現解析を実施したところ、発声運動野から舌下神経核へのグルタミン酸興奮性投射神経細胞に特異的に発声学習個体差を表象する遺伝子発現特性を持つことが分かりました。

生得的に生成しやすい運動特性が動物個体ごとに異なり、これをもとに自分に合った学習モデルを獲得しやすくしていることが今回の一連の研究で明らかになりました。

なお、本研究成果は、2024年1月10日(水)公開のProceedings of the National Academy of Sciences誌(PNAS, 米国科学アカデミー紀要)に掲載されました。


計画研究班B01 佐々木拓哉らの論文がNature Communicationsに掲載されました。

T. Okonogi, N. Kuga, M. Yamakawa, T. Kayama, Y. Ikegaya, T. Sasaki
Stress-induced vagal activity influences anxiety-relevant prefrontal and amygdala neuronal oscillations in male mice.
Nature Communications (2024), 15: 183. doi: 10.1038/s41467-023-44205-y.

プレスリリース
http://www.pharm.tohoku.ac.jp/file/information/20240110.pdf

動物は、外部のストレス環境に適応する必要がありますが、この適応機能は脳だけでなく、様々な末梢臓器の活動にも影響を受けています。本研究では、末梢臓器と脳をつなぐ迷走神経の活動が、前頭前皮質や扁桃体の脳波パターンと連動することを見出し、この連動がストレス負荷によって減弱すること、迷走神経刺激により回復することを示しました。脳がもつ適応機能に、身体信号の意義を考察するための一助となります。


公募研究班A01:中川班 中川直樹らの論文がCell Reportsに掲載されました。

Golgi polarity shift instructs dendritic refinement in the neonatal cortex by mediating NMDA receptor signaling
Naoki Nakagawa 1 2, Takuji Iwasato 1 2 3
本論文では、マウスの新生児期に、神経活動によって大脳皮質神経細胞の中でゴルジ体の分布に標的軸索方向への偏りが生まれ(ゴルジ体極性シフト)、その極性が樹状突起の特異的なパターンを決めていることを発見しました。本研究で、生後発達期の神経細胞が神経活動に応じて回路を作りかえていく仕組みに細胞極性が関与することが初めて明らかとなりました。
https://doi.org/10.1016/j.celrep.2023.112843

※図は国立遺伝学研究所プレスリリース資料より一部改変して転載

公募研究班A01:西辻班 西辻光希がNGS EXPO 2023で受賞しました。

2023年11月16日大阪で開催されたNGS EXPO 2023にて、福井県立大学 西辻光希が本領域でも取り組んでいる「scRNA-serqを用いたサンゴの環境適応機構の解析」を含む一連の研究について発表し、ベストプレゼンテーション賞を受賞しました。

受賞課題名:刺胞動物サンゴの環境適応と褐虫藻共生メカニズムの1細胞レベルでの理解を目指して

NGS EXPO 2023ホームページ
https://www.ngsexpo.jp/expo2023/index.html
https://www.ngsexpo.jp/expo2023/regist01.html


計画研究班B01松下夏樹、小林和人らの論文がSTAR Protocolsに掲載されました。

Protocol for highly selective transgene expression through the flip-excision switch system by using a unilateral spacer sequence in rodents
Natsuki Matsushita 1 6 7, Shigeki Kato 2 6, Kayo Nishizawa 2, Masateru Sugawara 2, Kosei Takeuchi 3, Yoshiki Miyasaka 4, Tomoji Mashimo 5, Kazuto Kobayashi 2 8
https://doi.org/10.1016/j.xpro.2023.102667


公募研究班A01:八木班 足澤悦子らの論文がeNeuroに掲載されました。

Reciprocal Connections between Parvalbumin-Expressing Cells and Adjacent Pyramidal Cells Are Regulated by Clustered Protocadherin γ
Nanami Kawamura 1, Tomoki Osuka 1, Ryosuke Kaneko 1, Eri Kishi 1, Ryuon Higuchi 1, Yumiko Yoshimura 2, Takahiro Hirabayashi 3, Takeshi Yagi 4, Etsuko Tarusawa 1
Affiliations expand
PMID: 37890993 DOI: 10.1523/ENEURO.0250-23.2023

パルブアルブミン陽性細胞のクラスター型プロトカドヘリンγが、視覚野2/3層内におけるPV細胞と興奮性神経細胞との特異的な双方向性結合を制御していることを明らかにしました。抑制性ニューロンと興奮性ニューロンとの双方向性結合は、神経ネットワークの最小単位であり、短期記憶やワークングメモリーの分子的基盤となることが期待されます。


公募研究班A01:揚妻班 揚妻正和らの論文がNature Communicationsに掲載されました。

Activity-dependent organization of prefrontal hub-networks for associative learning and signal transformation
Masakazu Agetsuma, Issei Sato, Yasuhiro R. Tanaka, Luis Carrillo-Reid, Atsushi Kasai, Atsushi Noritake, Yoshiyuki Arai, Miki Yoshitomo, Takashi Inagaki, Hiroshi Yukawa5, Hitoshi Hashimoto, Junichi Nabekura & Takeharu Nagai
Nature Communications volume 14, Article number: 5996 (2023)
https://www.nature.com/articles/s41467-023-41547-5

トラウマ記憶はどのようにして脳内に作られるのか
〜光と機械学習で脳神経細胞ネットワークレベルの変化を初めて解明〜

恐怖心の制御は人や動物の生活で非常に重要です。強い恐怖体験の記憶、すなわち「トラウマ記憶」は、その時の状況と無関係に呼び起こされることがあります。フラッシュバックと呼ばれ、実生活に様々な不自由をもたらします。近年の研究によりトラウマ記憶に脳のどの部位が関わるかは分かってきましたが、そこでの詳細なメカニズムは未知の部分が多く、関連する精神疾患では決定的治療法が確立出来ていません。今回、自然科学研究機構・生理学研究所の揚妻正和准教授、鍋倉淳一所長、大阪大学産業科学研究所の永井健治教授らは、光学と機械学習の融合的新手法によりトラウマ記憶に関わる脳神経細胞ネットワークを検出することに成功し、記憶形成に伴う複雑な変化を捉え、トラウマ記憶が出来てくる仕組みを明らかにしました。本研究はNature Communications誌に掲載されます(日本時間2023年10月6日18時解禁)。


計画研究班B01佐々木班 船水章大らの論文がCurrent Biologyに掲載されました。

Funamizu A, Marbach F, Zador AM,
Stable sound decoding despite modulated sound representation in the auditory cortex
Current Biology 33, 1–14, October 23, 2023
https://doi.org/10.1016/j.cub.2023.09.031


公募研究班B01小山 佳らの論文がThe Journal of Neuroscienceに掲載されました。

Yuki Hori, Yuji Nagai, Yukiko Hori, Kei Oyama, Koki Mimura, Toshiyuki Hirabayashi, Ken-ichi Inoue, Masayuki Fujinaga, Ming-Rong Zhang, Masahiko Takada, Makoto Higuchi and Takafumi Minamimoto
Multimodal Imaging for Validation and Optimization of Ion Channel-Based Chemogenetics in Nonhuman Primates
Journal of Neuroscience 27 September 2023, 43 (39) 6619-6627;
DOI: https://doi.org/10.1523/JNEUROSCI.0625-23.2023


計画研究班B01礒村班 礒村宜和らの論文がCommunications Biologyに掲載されました。

Alain Rios, Satoshi Nonomura, Shigeki Kato, Junichi Yoshida, Natsuki Matsushita, Atsushi Nambu, Masahiko Takada, Riichiro Hira, Kazuto Kobayashi, Yutaka Sakai, Minoru Kimura & Yoshikazu Isomura
Reward expectation enhances action-related activity of nigral dopaminergic and two striatal output pathways
Communications Biology, volume 6, Article number: 914 (2023)
https://doi.org/10.1038/s42003-023-05288-x

ラットの最近の成功経験が大脳基底核の黒質や線条体の神経細胞の行動に関わる活動を広範に増強することを明らかにしました。この増強は黒質から線条体へのドーパミン作用だけでは説明できず、大脳皮質からの入力情報の重要性を示唆しています。


計画研究班A01下郡智美らの論文がNature Communicationsに掲載されました。

Timothy R. Young, Mariko Yamamoto, Satomi S. Kikuchi, Aya C. Yoshida, Takaya Abe, Kenichi Inoue, Joshua P. Johansen, Andrea Benucci, Yumiko Yoshimura & Tomomi Shimogori
Thalamocortical control of cell-type specificity drives circuits for processing whiskerrelated information in mouse barrel cortex
Nature Communications volume 14, Article number: 6077 (2023)
https://www.nature.com/articles/s41467-023-41749-x

マウスの脳で見られる様々な神経細胞のセルタイプが生まれる分子メカニズムとその存在意義を明らかにしました。マウス体性感覚野に多く存在する有棘星状細胞(spiny stellate neuron)は、感覚情報を処理する際に重要な役割を果たし、特に環境からの情報を感知しやすく、敏感に反応します。これらの神経細胞は、外部刺激の入力情報と発生過程とが関連していると考えられていますが、その分子的なメカニズムについては不明でした。


計画研究班B01 佐々木拓哉らの論文がCell Reportsに掲載されました。

S. Yagi, H. Igata, Y. Ikegaya, T. Sasaki
Awake hippocampal synchronous events are incorporated into offline neuronal reactivation.
Cell Reports (2023), 42: 112871. doi.org/10.1016/j.celrep.2023.112871

神経回路に記憶を固定するための新しいメカニズムを解明

動物が新しい出来事を経験したとき、脳の海馬では、時折、神経細胞が同時に活性化する現象(「覚醒時の同期活動」または覚醒シャープウェーブリップル)が知られていますが、その意義は完全には解明されていません。本研究では、ラットの海馬に電極を埋め込んで、複数の神経細胞の活動を同時に記録し、こうした「覚醒時の同期活動」のパターンが、経験が終わった後の休憩中や睡眠中にも繰り返し観察されることを見出しました。この神経活動の意義を考えるためには、記憶の性質を考える必要があります。脳に記憶を長期的に保存するには、単に記憶の形成という過程だけでは十分ではなく、その後の休憩中や睡眠中において、記憶の固定化という過程が必要です。本研究で見出した海馬の「覚醒時の同期活動」は、こうした記憶の固定化にも影響を及ぼすことを示しました。従来、海馬の記憶研究では、記憶の形成と固定というプロセスは独立の時期に独立の神経メカニズムとして起こると考えられてきましたが、本研究は、この定説の再考を促す新しい概念となります。


公募研究班A01八木 健らの論文がPNASに掲載されました。

Natsumi Hoshino, Takashi Kanadome, Tomomi Takasugi, Mizuho Itoh, Ryosuke Kaneko, Yukiko U. Inoue, Takayoshi Inoue, Takahiro Hirabayashi, Masahiko Watanabe, Tomoki Matsuda, Takeharu Nagai, Etsuko Tarusawa, and Takeshi Yagi
Visualization of trans homophilic interaction of clustered protocadherin in neurons
PNAS 2023 Vol. 120 No. 38 e2301003120 
https://doi.org/10.1073/pnas.2301003120

これまでPcdhがホモフィリック相互作用することは株化培養細胞の凝集観察や、タンパク質の生物物理学的測定によって明らかになっていました。しかし、Pcdhが発現する神経細胞において、いつ・どこでホモフィリック相互作用をしているのかを知る方法はありませんでした。今回、我々はFRETを利用したプローブを作製することで、Pcdhが相互作用している様子を神経細胞でリアルタイムに観察することに成功しました。これにより、Pcdhホモフィリック相互作用の動態を解明し、シナプスでは稀にしかPcdhがホモフィリック相互作用しないということを明らかにしました。


公募研究班B01濱口航介らの論文がPNASに掲載されました。

K. Hamaguchi, H. Aoki-Takahashi, and D. Watanabe, “Prospective and retrospective values integrated in frontal cortex drive predictive choice”, PNAS, 119 (48) e2206067119, 2022.

Doi:   https://doi.org/10.1073/pnas.2206067119


計画研究班C02島崎班 島崎秀昭らの論文がNature Communicationsに掲載されました。

Miguel Aguilera, Masanao Igarashi, Hideaki Shimazaki. Nonequilibrium thermodynamics of the asymmetric Sherrington-Kirkpatrick model. (2023) Nature Communications. 10.1038/s41467-023-39107-y
https://www.nature.com/articles/s41467-023-39107-y

日本語PR
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-06-27


計画研究B01礒村班・公募研究B01野々村班の論文がCommunications Biology誌に掲載されました。

Rat hippocampal CA1 region represents learning-related action and reward events with shorter latency than the lateral entorhinal cortex.
Shogo Soma, Shinya Ohara, Satoshi Nonomura, Naofumi Suematsu, Junichi Yoshida, Eva Pastalkova, Yutaka Sakai, Ken-Ichiro Tsutsui, Yoshikazu Isomura
Communications biology 6(1) 584-584 2023年5月31日

https://www.nature.com/articles/s42003-023-04958-0


計画研究班B01 小林グループ・瀬戸川将らの研究成果がMolecular Brainに掲載されました。

https://molecularbrain.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13041-023-01019-9

https://www.tut.ac.jp/docs/PR230508.pdf


計画研究班B01 佐々木拓哉らの論文がNature Communicationsに掲載されました。

N. Kuga, R. Nakayama, S. Morikawa, H. Yagishita, D. Konno, H. Shiozaki, N. Honjoya, Y. Ikegaya, T. Sasaki
Hippocampal sharp wave ripples underlie stress susceptibility.
Nature Communications (2023), 14: 2105. doi: 10.1038/s41467-023-37736-x.

ストレスへの適応にかかわる神経メカニズムを解明
~遺伝子発現から回路レベルまで~

動物は、他の動物に攻撃されるような精神的なストレス負荷を受けると、不安やうつ症状などの精神破綻が生じます。逆に、そうしたストレスに適応できる動物個体もいます。このような個体差を説明する生物学的なメカニズムは未解明です。計画研究班B01の東北大学大学院薬学研究科の佐々木拓哉らの研究グループは、記憶に重要な脳領域である海馬に着目し、この領域の遺伝子発現を詳しく調べるために、ストレスを負荷する前のマウスから、腹側海馬の微量組織を採取し、遺伝子発現解析を行いました。すると、カルビンジンという遺伝子を強く発現していたマウスは、後に社会的敗北ストレスを負荷されると、うつ様の症状(感受性)を呈しやすいことがわかりました。さらに詳細な神経メカニズムを調べるために、こうしたマウスの腹側海馬に金属電極を埋め込み、電気シグナルである脳波を計測しました。すると、ストレス感受性が高いマウスは、ストレスを負荷した後に、腹側海馬にて記憶形成に重要な働きを担う「リップル波」と呼ばれる特徴的な脳波が多く観察されました。逆に、カルビンジン遺伝子を欠損させたマウスや、ストレス抵抗性が高いマウスでは、そのような脳波の変化は観察されませんでした。さらに、リップル波を直接かつ即時的に消失させる実験技術を用いて、ストレスを負荷したマウスにおいて、腹側海馬のリップル波を選択的に消去したところ、その後のうつ様症状の発症が抑制されました。以上の研究では、脳の遺伝子発現の解析からスタートし、同定された候補遺伝子に基づいて、ストレス応答に関わる適応回路メカニズムを明らかにしました。本領域が目指す「遺伝子発現と神経回路レベルの研究分野の融合」の一例となる研究成果です。

プレスリリースホームページ
http://www.pharm.tohoku.ac.jp/file/information/20230421-1.pdf


計画研究班C02 島崎秀昭らの論文がCommunications biologyに掲載されました。

プレスリリース:
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-02-16-0

Nature
Uncovering hidden network architecture from spiking activities using an exact statistical input-output relation of neurons
https://www.nature.com/articles/s42003-023-04511-z

京都大学京都大学
神経回路網の構造をつきとめる ―神経活動と回路構造をつなぐ新しい地図を作成―
 動物の脳の神経細胞は環境に適した回路網を構築し、動物が環境を認識し行動するための計算を行なっています。そのため、どのような回路網が構築されているかを知ることは、脳の機能を知るために不可欠です。にもかかわらず、生きた動物の神経活動から背後にある回路網の結合構造を明らかにする技術はこれまでありませんでした。
 今回、島崎秀昭 情報学研究科准教授(北海道大学客員准教授)、Safura Rashid Shomali イラン基礎科学研究所博士らの研究グループは神経活動と回路構造を対比させる地図を世界で初めて作成し、神経活動の特徴を手がかりに、隠れた回路構造を特定する手法を開発しました。この地図をもとに視覚野の神経細胞が示すスパース(疎)な活動を調べ、従来考えられていた抑制性細胞が主役の回路網ではなく、興奮性細胞による局所的な共通入力構造が背後にあることを示しました。これによりスパース符号化と呼ばれる脳の情報符号化方式の実態に新たな可能性を示しました。
 本研究成果は、2023年2月15日に、国際学術誌「Communications Biology」にオンライン掲載されました。


計画研究班B01 小林グループからの研究成果として論文を発表いたしました。

Highly selective transgene expression through the flip-excision switch system by using a unilateral spacer sequence.
Matsushita, N., Kato, S., Nishizawa, K., Sugawara, M., Takeuchi,
K., Miyasaka, Y., Mashimo, T. and Kobayashi, K. * Equal contribution Cell Rep. Methods 3: 100393 (2023).
https://doi.org/10.1016/j.crmeth.2022.100393

研究内容の説明を本学のHPに載せております。URLは以下です。
https://www.fmu.ac.jp/univ/kenkyuseika/research/230201.html


公募班A01八木健らの論文が、2023年1月20日 iScienceに掲載されました。

Hiroaki Kobayashi, Kenji Takemoto, Makoto Sanbo, Masumi Hirabayashi, Takahiro Hirabayashi, Teruyoshi Hirayama, Hiroshi Kiyonari, Takaya Abe, Takeshi Yagi*
Isoform requirement of clustered protocadherin for preventing neuronal apoptosis and neonatal lethality
iScience 26, 105766 (2023) doi.org/10.1016/j.isci.2022.105766

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589004222020399

ホームページ
https://www.fbs.osaka-u.ac.jp/ja/research_results/papers/detail/1055


公募研究班C01 安部健太郎らの論文がSTARprotocolsに掲載されました。

Hajime Yamamoto, Kentaro Abe*.
Protocol for viral vector-mediated measurement of transcription factor activity of mouse brain
STAR Protocol 3(3):101633.doi: 10.1016/j.xpro.2022.101633.(2022)
https://star-protocols.cell.com/protocols/1911


計画研究班B01 松下夏樹、小林和人らの論文がJournal of Neuroscience Methodsに掲載されました。

Natsuki Matsushita, Kayo Nishizawa, Shigeki Kato, Yoshio Iguchi, Ryoji Fukabori, Kosei Takeuchi, Yoshiki Miyasaka, Tomoji Mashimo, Kazuto Kobayashi.
Catecholaminergic cell type-specific expression of Cre recombinase in knock-in transgenic rats generated by the Combi-CRISPR technology
J Neurosci Methods. 2022 Nov 1;381:109707.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0165027022002333?via%3Dihub


研究計画班C01 郷 康広特任准教授がメディア出演されました。

ヒューマニエンス 40億年のたくらみ
「“遺伝子” その多様性はガラクタから」
https://www.nhk.jp/p/ts/X4VK5R2LR1/episode/te/JZ73ZRWGR7/


計画研究班B01 佐々木拓哉教授らの研究がeLifeにオンライン掲載されました。

Kuga N, Abe R, Takano K, Ikegaya Y, Sasaki T.,
"Prefrontal-amygdalar oscillations related to social behavior in mice"
eLife 11, e78428. (2022)
https://elifesciences.org/articles/78428

東北大学プレスリリース
http://www.pharm.tohoku.ac.jp/file/information/20220526.pdf

ニュース報道
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220527-2353021/


計画研究班C02 島崎秀昭特任准教授らの研究がCommunications Biologyオンライン版に掲載されました。

Takuya Isomura, Hideaki Shimazaki, Karl J. Friston, "Canonical neural networks perform active inference", Communications Biology, 10.1038/s42003-021-02994-2
https://www.nature.com/articles/s42003-021-02994-2

理研プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2022/20220114_3/index.html#note4


計画研究班A01 堀江健生助教らの研究がScience Advancesにオンライン掲載されました。

Akahoshi K, Usumi KM, Onuma K, Ookawa K, Murakami M, Horie T, Kusakabe TG, OKa K, Hotta K.,
"A single motor neuron determines the rhythm of early motor behavior in Ciona"
Science Advances 7, eabl6053. (2021)
https://www.science.org/doi/epdf/10.1126/sciadv.abl6053

慶應義塾大学プレスリリース
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2021/12/13/28-91441/


計画研究班A01 堀江健生助教らの研究がPNAS誌に掲載されました。

Paul-Chacha P, Horie R, Kusakabe TG , Sasakura Y, Singh M, Horie T, Levine M.,
"Neuronal identities derived by misexpression of the POU IV sensory determinant in a protoverebrate"
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 119, e2118817119. (2022)
https://www.pnas.org/content/119/4/e2118817119

筑波大学プレスリリース
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20220118050000.html